住宅営業ノウハウVol.16

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現場案内の留意点

現場見学会や展示場イベントなどで営業マンが気をつける留意点について、前回より詳しく説明したいと思います。
 

現場見学会または展示イベントでの留意点

1)時間設定を工夫する

予約制の場合は、午前中に2組、午後に4組など、お客様同士が重ならないようにします。
特に、お子様連れが重なると騒がしく、気持ちが散漫になりがちです。
2組を同時にご案内することは双方への対応がおろそかになりがちですので、避けましょう。
また、昼食時間をはさまないようにして、夕暮れ前に終了します。

2)お客様の参加人数と構成を考慮する

お客様の人数により、案内のポイントが異なります。
事前に人数が分かれば、それにあわせた案内順と説明コメントを準備します。
お子様連れの場合や移動については、特に安全を確保する必要があります。
建設中の物件では、資材や器具の置き方によって危険な場合もあります。
工事監督や大工さんにご協力をお願いして、現場見学会当日にはきれいに片付けておくよう心がけます。

お子様はお菓子のゴミを散らかすこともあるので、ゴミ袋は常に用意しておきます。
またはしゃいだり、走ったりして、室内のインテリア、家具などを傷つけることのないように注意します。

3)車での送迎中はお客様のニーズを把握する貴重な時間

タバコくさい、パンフレットが散乱している、窓が手垢でベタベタ、などの状態のままでは、良い印象を与えません。
常日頃から、車内清掃はきちんとしておきます。
また、運転中は携帯の使用は禁止です。
シートベルトも忘れずにします。
車中では、参加いただいたことへの感謝の言葉から始め、明るい話題で会話を弾ませるように工夫します。

見学物件がお客様の要望と違うタイプの場合は、車中で承諾を得ておく必要があります。
   
車中または見学会の前に、あらかじめ見ていただくポイントを絞って伝えておくと良いでしょう。
「二世帯住宅ではありませんが、使いやすい間取りの一例です。」
「畳の部屋はありませんが、若いご夫婦には好評です。」
「光の取り入れ方に工夫があります。広々と明るい印象を与えます。」
などです。

4)極力体感していただく

ただ見て歩き回るだけでなく、可能な範囲でお客様に体感していただきます。
奥様にはキッチンに立っていただく、ご主人様には天井の高さを感じていただき、お子様には快適な子ども部屋など、新しい家の感触を体感していただきます。
リビングの照明のスイッチを入れていただく、インターフォンのモニターに出てもらう、窓から庭を眺めていただく、なども体感です。

5)適度な時間をかける

各部屋10分などと決めるのではなく、お客様の反応を見ながら時間配分を決めていきます。
特に奥様にはキッチンをゆっくりと見ていただきたいもの。
そのためには説明も丁寧にし、質問もたっぷりと伺います。
足が止まるところ、質問が出るところ、連れの方と話を始めるところが、そのお客様の気になる部分です。
見逃さないでください。

6)沈黙も必要

初めから終わりまで、営業マンが一人で話しているようではいけません。
お客様が考えたり、イメージしたりする時間がないからです。
ご主人様と奥様が意見を交換する場面もあるでしょう。
ご自身のイメージする部屋を思い浮かべて、寡黙になっている場合もあります。
ご家族の会話に割り込んで、商品説明を行う、PRをするなどは、お客様の思考を中断させ、あまり良い印象を与えません。
お客様の話にじっと耳を傾けることが必要です。

7)アンケートは必ず記入

完成物件の場合であれば、リビングでお茶を飲みながらアンケートに入ります。
「動線」「使い勝手」を説明しながら、キッチンからリビングまで営業マンが実際に動いてみて、お茶を出します。
落ち着いて話をする場面ですので、まずお客様からの質問を受け、一つ一つ答えていきます。
また、自社の特徴、サービス、他社物件との違いなど、各部屋を振り返りつつ説明していきます。
お客様の反応を確認しながら、お客様の抱いている問題点を質問形式で引き出していきます。

8)営業マンの本音を覗かせる

パンフレット通りの説明では、お客様も飽きてしまいます。
どのお客様にも同じセリフやテンポで説明したのでは、熱意や誠意が伝わりません。
時には営業マンの本音の部分や裏話的な内容も必要です。
「お客様だけに」「ここだけの話」に、お客様は熱心に耳を傾けてくれるものです。

9)お施主様を大切にする

既存物件の場合は、お施主様に感謝する姿勢が重要です。
当社で建てていただいたお礼、現場の提供に対する感謝の言葉を述べます。
その後、お施主様に当社で建てられた率直な感想を伺ったり、家づくりへのこだわりを伺ったり、建築完成までのご苦労、喜びなどのお話を伺ったりします。
実際に担当していないと引き出せない話もありますので、日頃の営業姿勢の真価が問われる場面でもあります。

お施主様の姿は、これから家を建てるお客様の姿です。
お客様もお施主様の位置に自分を置き換えてイメージしています。
特に、営業マンとお施主様のコミュニケーションがうまく図られているかは重要なポイントです。
普段の対応が自ずと会話に現れてくるからです。
信頼のおける営業マンであるのかどうか、その力を見極めています。

営業マンは、お施主様に対しても誠意を持って取り組みます。
お施主様は、ご自身の家で開催された見学会の印象が気になるものです。
お招きしたお客様にご好評を頂いたり、参考にしたいという意見が聞けたりすれば、嬉しいものです。
いずれにせよ、良い雰囲気で終わることができれば、営業マンの更なる味方になり、力になってくださるはずです。

10)次回のお約束を確保する

見学会の終了時には、お客様と次回訪問の約束をします。
見学会の場で、お客様の問題点を見つけられていれば、それを宿題として再訪するお約束をします。
最後に見学会参加への感謝、長い時間の労をねぎらい、再訪の確認をしてお見送りをします。

現場見学会は、自社の商品をアピールすることと、お客様の信頼を勝ち取る場でもありますので、営業マンとしての役割をしっかり認識して対応することが大切です。


木曽

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