住宅営業ノウハウVol.54
現場トーク例について
今回は、現場トークの中でも、主にお客様から必要な情報を聞き出すヒアリングトークについて紹介していきます。
★ 「家を建てるという決心をなされたわけですが、ご家族で反対されている方はいないのですか?」
客 「ええ、私と妻はもちろんですが、両親も今のところは…」
★ 「それは良かったですね。
たまにあるんですよ、ご両親から反対されるケースが。
年回りが悪いとか、転勤したらどうするんだとか…
返済は大丈夫なのかとか言われる方もいらっしゃいます。」
<コメント>
決定権、発言権は誰が強いのかを探ります。
奥様の「私の意見は通りませんのよ」「やはりおじいちゃんの意見を聞かないとね」という言葉から、決定権者、影響力のある人の存在を感じたら、そこに問題点が隠れている可能性があります。
商談を進めていく過程で必ず影響を与えている人物を登場させていきます。
★ 「今日は色々とお聞きしたいのですが。
今回家を建てるにあたって、タナカ様が最も重視している点。
言い換えると、“書斎は絶対、欲しい”
というようなポイントはございますか?」
客 「書斎か…いいねぇ」
客 「書斎よりもリビングでしょ。
できれば対面キッチンがいいわ」
★ 「なるほど。
つまり奥様は、ご家族で過ごされる空間を大切になさりたい、
ということですね。」
<コメント1>
家を建てると決意している以上、夫婦でなんらかのイメージを話し合っているはずです。
ご主人に“絶対実現させたい間取りは?”という類の質問を投げかければ、必ず一つは希望が出てくるはずです。
同席している奥様も口が挟み易くなります。
<コメント2>
お客様の話を要約して確認するときや、営業マンが理解したことをお客様に伝えるときに
「つまり~ということですね」
「~と考えてよろしいのでしょうか」
などの表現をします。
★ 「対面キッチンですか。いいですね。
でも対面式キッチンをお使いになっているお客様から、こんな声が挙がっているんです。」
客 「えっ、何か問題でも?」
★ 「一部のお客様だとお断りしておきますが。
例えばお客様をリビングに通すことがありますよね。
すると、そこからキッチンの中が丸見えになってみっともないって方もいらっしゃるんですよ。」
客 「…。それもそうね。」
★ 「ですが、そんな問題もキッチンとリビングの間取りの取り方によってはうまく解消できるんです。
そこが設計の力なんですね。
当社では〇〇といって…」
<コメント1>
ひとつのニーズにひとつの問題解決(自社の商品・サービスの説明)となります。
まず、ご夫婦の希望を聞き出す
↓
ちょっとした問題提起をする
↓
解決策(自社の商品・サービスの説明)を提示する
<コメント2>
重要なポイントは、安易にお客様の夢を迎合してはならないということです。
「いいですね。では、そうしましょう。」ではなく、現実を突きつけることも必要です。
特に、実際に使っているお客様の声を伝えると、関心が高まります。
★「現在のお住まいですが、普段の生活の中で最大のご不満はなんですか?」
客「そうねぇ。
古い家だからしょうがないんだけれど…。
台所かな…、手狭だし、使い勝手が悪くてね。
トイレが玄関の横にあるのもあんまりね…。
寒くて億劫なんだよな。」
★「確かに、最近のモデルハウスと比較されると使い勝手はあまりよくないようですね。
ちょっとこれをご覧いただけますか?
これは私のお客様の図面なんですが、キッチンをこんな風に工夫されているんですよ。」
<コメント1>
話はテンポよく進めます。
お客様の問題点は様々なので、営業マンは「それは簡単に解決できる」という表情で聞いてはいけません。
<コメント2>
よくある不満のケースに備えて、例えばキッチン、例えばリビングなど実際の事例を提示できるようにファイルしておくと良いでしょう。
客「でも…。
こんなに広くは取れないわ。
予算の問題もあるし…。」
★「その点については、私どもでも経験がありますので、十分にお答えできます。」
<コメント1>
お客様のニーズにお答えする場面です。
話の進め方には「結論」ではじまり「結論」で終わるというテクニックがあります。
ここで、お客様に「十分にお答えできる」という結論を与えておいてから、その中味の説明をします。
<コメント2>
説明の部分が長すぎて、なかなか結論が見えてこないと、お客様はイライラしてきます。
まず「結論」を一言でいいます。
↓
次に「理由」を説明します。
「理由」はメインポイント、サブポイントの相互の関連性や、論理性、段階性を考慮し話します
↓
最後に全体を要約し、メインポイントを簡単に繰り返し「結論」を述べます
★「いかがでしょうか。ご納得いただけましたか?」
<コメント1>
お客様の反応を見るときの言葉です。
「そうねえ…」
「まあねえ」
という反応だけなのか、
「ふうん、そうなんだ」
という発見に近い反応なのかを確かめます。
<コメント2>
初回面談では全ての説明は済みませんので、お客様の反応が強かった部分は、2回目の面談時に再度詳しく説明したり、関連資料を送ったりします。
木曽