住宅営業ノウハウVol.40
保有客ランクアップについて
住宅などの高級商材を販売している会社は、戦略として「狩猟民族的」な営業と、「農耕民族的」な営業を両立して進める必要があります。
組織的に行う場合の役割は、「狩猟民族的」営業を営業マンが担当し、「農耕民族的」営業を会社として取り組むようにします。
営業マンは契約数に応じた歩合給の場合がほとんどなので、「農耕民族的」営業を任せても本気になれないですし、長期的視野で見ることは実際には難しいと思います。
どちらの戦略でも見込み客を探して契約までランクアップさせていかなければなりません。
そこで、今回から保有客に対するランクアップの方法について説明していきます。
「保有客」とは、契約に至っていない全てのお客様のことです。
営業の目的は契約を獲得することにあります。
その手段としては追客があります。
契約を決定するのはお客様ですが、契約時期をコントロールするのは営業マンです。
●保有客ランクアップの目的
「保有客」のランクアップの目的は「契約の獲得」であり、到達点は「当社のファン客」になっていただくことです。
全ての「保有客」に同じ追客の仕方をしても効果的ではありません。
条件や状況によって追客の内容が変わります。
有効な追客活動をするためには、契約予定時期が近いお客様から優先的に追客します。
来月の契約は何棟になるのか、今月はいったい何棟契約を挙げられるか、という顧客管理によって契約予定を把握します。
ですから保有客ランクアップは、見込み客のランクを適切に判断し効果的なランクアップ方法を知って、未来の契約数をコントロールしていくことが大切といえるでしょう。
●ランクアップ管理方法
保有客の管理には以下の2つがあります。
1.建築予定時期で分別して管理する
「保有客」は、契約時期によって「短期客」「長期客」「その他のお客様」の3つに大別されます。
「短期客」とは、“重点客”を指し、3ヶ月以内に契約が見込めるお客様のことです。
一方「長期客」は、2年という期間を境に、“契約が見込める”か“見込めない”かによってランク分けされます。
営業マンは、「短期客」と「2年以内の契約が見込めるお客様」を担当します。
また、「OB客」「お施主様」のフォローは営業の仕事です。
「長期客」のうち、2年以上先でないと見込みになりそうもないお客様(C客)と、近隣挨拶や集客活動でお名前をいただいたお客様は、「会社客」として全社でフォローします。
「保有客」は、定期的にDM・電話・訪問を継続してランクアップを図ります。
それぞれのランク毎に月間面談目標が定められています。
〇S客(1ヶ月以内契約見込)= 週2面談×月4回×1.5客 = 12面談
〇A客(3ヶ月以内契約見込)= 週1面談×月4回×3客 = 12面談
〇B客(2年以内契約見込) = (月1面談/2ヶ月間)×30客 = 15面談
〇C客(2年以上先) = 社内にてフォローする
〇OB客5客・施主3客に対し、随時面談を設ける。 近隣挨拶 = 150件×5回
2.客観的条件を重視して管理する
建築予定時期だけではなく、3つの条件から判別し、ランク分けをします。
1)保有能力 年収、自己資金、返済可能額
2)建築要素 建てる動機が明確になっている
時期が延びる要因がない
(結婚を機に建てる、進学に合わせて建てる、転勤がないなど)
周囲からの反対がない
土地の法規制等の問題がクリアーになっている
3)可能性 当社への印象が良い
構造、工法に共感されている
OB客からの紹介である
以上、2つの管理方法により、できるだけ客観的な顧客のランク分けを可能にします。
木曽