ニュースレターノウハウ VOL.50
パーソナル・スペース
ニュースレターを作成させるコツとして“心理学”を学びながら、その手法をニュースレター作成に応用する方法を紹介しています。
心理学は、ニュースレター作成だけでなく、あらゆるところで役に立つ知識ですので、あなたのヒントになれば幸せです。
今回はお客様との距離感のお話をしたいと思います。
人間関係では、この距離感ということが最も大切な要因となります。
「人間関係」という文字のとおり“人の間(ま)の関係”、すなわち距離の関係といっても過言ではないくらい重要です。
心理学では、パーソナル・スペースという考え方があります。
動物のなわばり意識と同様に、自分を中心とする縄張り意識、個人空間のことで、他者に侵入されると不快になる空間です。
親しい人であればパーソナル・スペースば小さくなり、見知らぬ人であれば大きくなります。
親しい人であれば、非常に近い距離でも許容できます。
しかし、嫌いな人に近寄られると不快になるということです。
自分の持つパーソナル・スペースに見知らぬ人が侵入すれば不快になり、警戒します。
たとえば、満員電車の中にいると、非常に嫌な気分になり、精神的にもドッと疲れるでしょう。
適切な対人距離をとることによって、相手に心地よく話してもらう、あるいは、話を聞いてもらうということができるわけです。
例えば、営業マンと顧客との距離。
極端な例でいえば、3メートル離れて話をしていたら、セールスは非常に難しいでしょう。
逆に、50センチの距離に近寄って話すと、不気味がられますよね。
つまり、その中間に丁度良い距離というのがあるはずです。
その丁度良い距離というのは、人によって、そして同じ人と話している場合でも時間によって、変化するものです。
初対面の人と話す場合、最初は少し遠めで話していて、話の盛りあがりとともに多少近づくというのが良いというわけです。
例えば、話が盛り上がってくると相手が身を乗り出して聞いてくれるということがあります。
これは距離がもっと近くても良いというサインとも理解できます。
顧客との距離を縮めるタイミングは難しいかもしれませんが、パーソナル・スペースを頭に入れておくと少しわかりやすいでしょう。
パーソナル・スペースというのは人によって違い、また年齢や性別によっても違います。
男性のパーソナル・スペースは、縦に長く横に短い楕円形をとるという特徴があります。
正面の距離が近いと不快に感じますか、横に座るのはそれほど不快にはならないということです。
例えば、電車で見ず知らずの人と横に座っても、別に何とも思わないですよね。
商談の場面で考えてみましょう。
最初は、正面で距離をとって話しています。
商談も少し盛り上がってきたところで、顧客も商品に興味を示してくれているようです。
そんな場面で、ソファーに深く座っていたのが、資料を見せるタイミングで前のめりになったりして、微妙に距離を縮めてみます。
あるいは、顧客に資料を見せたり差し出したりするタイミングで、顧客の横に座るというのも良いかもしれません。
立って説明する場合は、真正面よりも横に立った方が、より近くに寄って話が出来るということになります。
ただ、あまり不自然に近寄ってはいけません。
さりげなく、相手の親密度が高まってきたところで、物理的な距離も縮めると、さらなる心理的な接近効果が得られるでしょう。
近すぎず遠すぎず、人と話す場合は「適切な距離感」を常に意識しましょう。
ただ、女性のパーソナル・スペースは、男性と違って円形であり、また男性よりも広いといわれています。
パーソナル・スペースは年齢や国民性によっても違うといわれているので、そのあたりも意識しておくとよいかもしれません。
ニュースレターの作成で、この距離感を作っていく方法をご紹介いたします。
ニュースレターは毎月発行しています。
顧客によってさまざまな距離感があるなかで、同じものを送っているとパーソナル・スペースを維持できません。
そこで、あなたに書いてもらっているフリースペースを利用してパーソナル・スペースを保つようにします。
それは、ストーリーをあらかじめ設計しておくということです。
例えば、初めて送る人には、いきなり親しい距離感で込み入った話を記事にしても逆効果です。
やはり最初は、自己紹介から始まる記事を、その人に送らなければなりません。
しかし、それでは発行作業が何倍も増えてしまいますので、もう少し工夫して、A4版の別紙で予め印刷しておいて、顧客ごとのステップで差し込み同封発送していきます。
そうすることで、違和感のないニュースレターになり、スムーズな関係が構築されていきます。
ぜひ実践してみてくださいね。
木曽