ニュースレターノウハウ VOL.51
パーソナル・スペース2
ニュースレターを作成させるコツとして“心理学”を学びながら、その手法をニュースレター作成に応用する方法を紹介しています。
心理学は、ニュースレター作成だけでなく、あらゆるところで役に立つ知識ですので、あなたのヒントになれば幸せです。
前回は、距離感についてお話ししました。
親密なコミュニケーションを構築していくためには適切な距離が必要です。
この考えは逆に応用することもできます。
あまり、濃いコミュニケーションをとりたくない場合です。
例えば、お客さんや取引先相手に苦情を言われる、クレームをつけられる、という場面があるでしょう。
そんなときは、どうしますか?
・平謝りで謝る
・お客さんがあきらめるまで、ひたすら我慢して聞く
そんなところでしょうか。
濃いコミュニケーションのためには、丁度よい距離が必要です。
逆にいえば、距離が遠くなるとコミュニケーションは薄くなります。
例えば、あなたの部下や同僚が何か失敗した時、5メートル離れた場所から怒鳴りつけてみてください。
それって無理でしょう?
そんなに離れていては、怒るのも怒りづらいです。
人が怒る、つまり、ネガティブな意味で濃いコミュニケーションを求めているわけなので、短い距離が必要になってくるのです。
人は怒った時に相手との距離を縮めようとします。
例えば、道で派手なお兄さんと肩がぶつかってしまった場合。
派手なお兄さんは、「コラ!!どこ見て歩いているんだ。」と言って、あたなたのすぐそばまで近寄ってくるはずです。
「コラ!!どこ見て歩いているんだ」と言いながら、後ずさりする人はいないはずです。
「怒り」に限らず、強く主張したい場合、人は前に出てしまうのです。
このように、人間は怒ったりエキサイトすると、一歩前に出てしまう、相手の距離を縮めてしまう、という癖があるわけです。
相手は怒りを伝えたいので一歩前に出るわけですが、それがうまく伝わってしまうと、さらに怒りが増長する。
火に油を注ぐように怒りが激しくなって、どうしようもなくなるわけです。
そんな時は、どうすれば良いのか?
その答えは、適切な距離感を取ること、です。
つまり、顧客が身をのり出して激怒してクレームを言ってきている。
これはあなたの距離としては、近すぎるわけです。
少し、物理的な距離を置く。
そうすると、自然とクールダウンするのです。
顧客がクレームを言ってきている場合。
露骨に一歩下がっては、さらに一歩前に出てくるかもしれません。
さりげなく、5センチとか10センチとか、微妙に距離を離す。
そうすると、エキサインティングしていたはずのクレーマーが冷静になっていきます。
決して相手のペースや、売り言葉に買い言葉になってはいけません。
そうなると、最悪の結末が待っています。
とりあえず、ほんの少しの間(距離の間と言葉の間)をとるだけで、人は不思議なほど落ち着くものです。
人間関係やコミュニケーションの親密度を、このパーソナル・スペースをコントロールすることによって、あなたが良い方向に変えられるように試してみてくださいね。
木曽